海の底 / 有川浩
自衛隊恋愛ものの有川さんの”海”編。今回も熱く、そしてほのかなラブありの大変面白い作品でした。
序盤のレガリスの一斉上陸のくだりは、できるだーけ脳内でイメージ変換をしないように読んでいたんですが(こういうの苦手)、普段イメージ変換が苦手なくせに、こういうときだけ割とうまいこといってしまうってどういうことよ私の脳!とジレンマに悩みながらも読んでました。序盤越えたら大丈夫だったんですけどねぇ。
お話はレガリスからの国土防衛(?)に尽力する警察の方々と、潜水艦に取り残された子どもたち+若い自衛官の物語との二本立て。妙にかっこいい警察の方々の物語が非常に印象的です。キツネと狸の化かし合いのようなあの手この手で自衛隊を引きずり出そうとするその手腕に脱帽です。かっこよかった!それにしても、自衛隊は圧倒的なんですねぇ。そこら辺全然わかっていないのでアレなんですが、あれだけ手こずらされた甲殻類があっけなく追いやられていく姿を見て、すごいなぁと感心してしまいました。
一方、潜水艦内部の方では夏木と冬原のコンビが面白かったです。図書館戦争の堂上と小牧のコンビみたいだなぁと思いながらも、夏木のかっこよさにおもわずにやりとしてしまいました。そして忘れてはいけない小さな恋のメロディ。最後はそう来るかっ!となんだかすがすがしい終わり方で、非常に満足です。夏木さん絶対尻にしかれるタイプだよこれは、と最後までにへらへらと楽しませて頂きました。
面白かったので、その後のアレコレがわかるらしい短編集が非常に楽しみ……(実はスタンバイOKなので次読みますっ!)