図書館革命 / 有川浩

本の感想, 作者名 あ行有川浩

敦賀原発を狙ったテロが発生し、その手口がとある本の内容にそっくりだったことからメディア良化委員会は作家・当麻に狙いを定め、作家狩りの突破口としようとしていた。図書特殊部隊は当麻を守るために特別警戒態勢を取る。

※直接的なネタバレはしないようにはしていますが、わりときわどいところをいっていると思うのでネタバレ不可の場合は回避推奨。


図書館シリーズ完結編。大団円で大満足です。うわーお腹一杯素晴らしい。
初っ端から(個人的には)ラブコメ的にクライマックスですよ、どうしましょう。最初にきゃー(←あまりにものらぶっぷりにあてられてる悲鳴)、途中(暗いところ)できゃー、最後(きれた郁に)きゃー、そして最後の最後できゃーとニヤニヤしすぎて読むのに大変疲れてしまいました。心臓に悪いシーンに遭遇するたびに一休みするので(笑)、なかなか先に進めないという。しかし、今回の堂上はなにやら大人の余裕があって振り回されている郁の乙女度がよかったですね。
他のらぶパートでは柴崎と手塚にニヤニヤ。このシリーズで一番印象が変わったのは手塚だなぁ。ここまでつつき甲斐のあるキャラクターになるとは思ってもみなかったです。

一方、熱い戦いの方は今回も手に汗握りました。良化委員会も大きな敵だけど、それ以上に強大なのは無関心な国民、という形で表現の自由のために戦う図書隊の面々がかっこいい。やっぱり隊長のはちゃめちゃ大作戦は決まるときもちいいなぁ。街のいろんなところで図書隊を助けてくれる名もなき市民のみなさんよかったです。特に、おばちゃんズは最高。うん、たしかにあのノリはH急やD丸じゃなくてH神だなぁ(一方的な思いこみ)。
終盤は自分が知っているところが舞台だっただけに、郁達のたどった道筋がありありと想像できてなんかうれしかったですね。

これで終わりと思うとなんだかとっても寂しいのですが、全4巻、大変満喫させて頂きました。胸キュン的にはかなりオススメのシリーズです。
しかし、どうやらスピンオフ作品の予定もあるようで……。できれば柴崎先生と手塚の落とし前編を読んでみたいと思うのですが、是非とも!

img図書館革命
有川浩/徒花スクモ
メディアワークス(2007.11)
ISBN:978-4-8402-4022-2
bk1/amazon