お狐サマの神隠しッ! / かたやま和華

本の感想, 作者名 か行かたやま和華

月見の夜に風祭道場の前に捨てられていた赤ん坊。そして、赤ん坊には紗那王に子どもを託す旨をしたためた結び文。紗那王と鷹一郎に疑惑のまなざしが向けられる中、風祭道場の面々は赤ん坊にすっかり骨抜きになる。そんな中、「悪い狐を落としてあげる」と桐緒に近づく謎の男が現れて……。


お狐サマシリーズ第4巻は紗那王(若しくは鷹一郎)に隠し子かっ!という隠し子騒動と、紗那王をめぐる陰謀の一端をかいま見られる1冊でした。

相も変わらず報われない紗那王と桐緒のらぶこめっぷりが素敵でした。話は進んだような進んでないような、そんな感じなんですがもうこのらぶこめで全てが許せてしまうようなそんなシリーズのように思えてきました。実は赤ん坊をあやすのが上手い紗那王がちょっとツボ。
桐緒、それしたら絶対失敗するし……と案の定の展開になったりするところは実のところ4冊目にして少々過食気味ですが(しかし、それが桐緒のいいところといえばいいところなんでしょうね)、まあ、あとで紗那王がかっこよく助けに来てくれるからいいか。

斑娶りについても少しずつ全容が明かされてきているので、続きも楽しみですが変に停滞するのはいやかなぁと思ったりして。しかし、このシリーズで一番のお気に入りはやっぱり松寿王だなぁということに改めて気付いてしまったのはいいことか悪いことか。あのおちゃらけたお兄ちゃんが急にさすが親王様だなぁという行動を取られるこのギャップがたまりません。

imgお狐サマの神隠しッ!
かたやま和華/風都ノリ
B’s-LOG文庫(2007.11)
ISBN:978-4-7577-3845-4
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