宝印の騎士2 / 西城由良

本の感想, 作者名 さ行西城由良

謎の宝印を得たノイルは指導教官を得ることができたものの、引き続き同期からの嫌がらせはつづき、肝心の「指導」をなかなか受けられないことにいらだちを感じていた。そして、水面下ではノイルの宝印をねらう輩も動き出しており……


宝印の騎士第二巻。三人の少年が巻き込まれるどたばた事件とノイルが宿した宝印の謎が徐々に明かされていく話でした。

十分におもしろかったし(三人でランチに多大なる野望を抱くウィリップとそれに引きずられるノイルにティファール)、かわいかった(校長先生のペット、鳴きウサギのレディ・チッチリーナ)んだけど、一冊目ほどこれだ!と思えなかったのが残念。これはもう読後のいたたまれなさにつきるとは思いますが。
三人の友情というか、関係が徐々に前進していっているのはよかったのだけど、それだけに「裏切り」に二人を「拒絶」するノイルの様子が読んでいて非常に痛々しかったです。もうちょっとそこら辺は受け入れられる位の関係ができあがっていたと思ったんだけどなぁ。一歩進んで五歩下がるくらいの勢いだっただけに、余計に。続きでは関係の修復が計られるに違いないとは思いますが、いったん別離の道を選んだノイルが今後どう二人と仲直りするのかがポイントでしょうね。

それにしても、レディ・チッチリーナはかわいいなぁ。ピンでの挿絵と書き下ろしの彼女から見た三人まであってこれはVIP待遇だ。書き下ろしではティフェールとレディに和むこと請け合い。

宝印の騎士1

img宝印の騎士2
西城由良/窪スミコ(イラスト)
新書館ウィングス文庫(2007.12)
ISBN:978-4-403-54123-0
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