ダナーク魔法村はしあわせ日和~ただしい幻獣の飼い方~ / 響野夏菜
ダナーク魔法村の最終巻(く、もったいない……)はコバルト本誌に掲載されていた読み切り3編に書き下ろしの掲題作1編を加えた全4編の短編集。あまりにももったいなくてちびちびと一日一作ずつ読んでました。
本編を追いかけるように短編の時間も進んでいくので、次第に近くなるイズーとビーの距離がたまりません。ああ、イズーがビーにやられていく……と思わずにやりとしてしまう描写の数々がすばらしかったです。何でこれが打ち切りなんだ……、もったいない、ああもったいない。こんなところで終わるなんてもったいないっ!アンケートはがきついてないのこのコバルト?
堅物警察署長に突撃トラブルメーカーの二人の恋の行方が大層気になるところです。基本はイズー中心に動いているのでビーの内面がどう変化したかはよくわかりませんが、しかし、最初と最後では確実に違いますよね。赤面する二人にこのヤロウ!ですよ。
ダナーク村の他の面々もとても個性的で大好きだし(特においちゃんが好き……)、本編にいた王子様だって好きだったので、ここで終わりなのが返す返すも悔やまれます。ビーの出生の秘密は明かされてちょっとすっきりとはいえ、イズー関係は完全に明かされないまま終わってしまったしなぁ。
しかし、有終の美というか、最後にこのすばらしい短編集が読めてしあわせかもしれませんね……。
ダナーク魔法村はしあわせ日和~ただしい幻獣の飼い方~
響野夏菜/裕龍ながれ(イラスト)
集英社コバルト文庫(2008.02)
ISBN:978-4-08-601129-7
【bk1/amazon】