プリンセスハーツ~乙女の涙は最強の武器!の巻~ / 高殿円

本の感想, 作者名 た行高殿円

オリプリーヌの罠にはまり捕らえられたジルは、オリプリーヌが偽物であることに気付いたが、その正体と背後の組織をつかみきれずにいた。一方、行方不明になったジルを捜し奔走するルシードとマシアスは怪しい場所に目星をつけるも、ルシードといえども手出しができない場所であった。


プリンセスハーツ第3巻はルシードの愛妾事件完結編でした。そして、前巻の幕引きがそんなえらいところで、という場面だったので愛妾オリプリーヌ関係に関してはすっきりと(?)解決してよかったです。3巻目にして展開がシリアスモードにかなり移行してきたような気がします。ルシードの自虐ネタ(?)といいますか、コメディ要素がほとんどないとはっ!(変なところで驚いた)
高殿さんの少女小説宮廷モノといえばこの緊張感をはらんだ陰謀の数々です。何重にも張られた罠を機転と気合いでなんとか乗り切り、アドバンテージまで得た仮面夫婦にその腹心のコンビネーションが素敵でした。ルシードもアホの子アホの子といわれ続けていますが、さえた機転を見せたりしてかなり好印象です。天然タラシのところは、さすがにあの孫のおじいちゃんだなぁ、と。
そして仮面夫婦関係では、それ、君ら、もういいんじゃない?と思うくらいのニヤリとできる展開にとても満足です。ジルのラストの宣言は正直ルシードがかわいそうになりましたが……、でも、ナイスコンビですよねぇ。こういうじれったさというかなんというかは大好物です。

いろいろと謎が明かされましたが、オリプリーヌの背後やジルの出生など気になるポイントはまだまだあります。続きが楽しみ。

imgプリンセスハーツ~乙女の涙は最強の武器!の巻~
高殿円/香代乃
小学館ルルル文庫(2008.07)
ISBN:978-4-09-452072-9
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