別冊図書館戦争2 / 有川浩

本の感想, 作者名 あ行有川浩

柴崎のストーカーを追い払うために、「風よけ」になることにした手塚。一人目のストーカーは何とか撃退できたが、それもつかの間、関東図書隊を巻き込んださらにやっかいなストーカーが新たに現れる。手塚一人では対応できる事態ではなくなり、タクスフォースの面々も事件の解決に乗り出すのだが……(背中合わせの二人)


図書館戦争後日談の第2弾で、完結編の別冊2。別冊1と違いビター分が過分に含まれますので、人前でも読めますねぇこれは(ちょっと残念だ!楽しかったけど!)
緒方副隊長の意外な過去が明かされる『もしもタイムマシンがあったら』、郁が旦那に昔の話を聞き出す『昔の話を聞かせて』、そして帯にもあります「そんで、結局あの人たちは?」の柴崎と手塚のオトシマエ編『背中合わせの二人(1)~(3)』収録。全編通じて堂上夫妻がちゃんと夫妻していたのにびっくりです。万年バカップルめ……(笑)。

3/4くらいをしめる柴崎・手塚編は一話目を読んだときにここまで辛くて後味わっるーという話になるとは思ってもみませんでした。最後のオトシマエはとてもよいものでしたが、作者さんの旦那さんグッジョブだなぁ(旦那さんの助言で追加されれた数ページ、これがないともっと後味悪かったぞ)。今まで図書館戦争シリーズではあんまり前面に出てこなかった人の心の闇。怖いものです。みんな全力疾走で逃げて!と思いながら読んでました。
ここまでいかないと素直になれないのか、と柴崎の強がりに感心半分あきれ半分です。柴崎の男前っぷりも手塚のある意味王子様っぷりもとてもかっこよかったので満足ですが。
そして、不謹慎ながらも一番楽しかったのは鬼軍曹モードの堂上教官(三正)だったりしました。いや、あそこは笑うところではないのだけれど、一冊目の郁から考えるとその成長ぶりに目頭が……。

そんなこんなで外伝を含め全六冊の図書館戦争、最初から最後まで時にニヤニヤゴロゴロ、時に手に汗握りながら大変楽しませていただきました!面白かった!

img別冊図書館戦争2
有川浩/徒花スクモ
アスキーメディアワークス(2008/08)
ISBN:978-4-04-867239-9
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