オトナリサンライク / 竹岡葉月

本の感想, 作者名 た行竹岡葉月

キーチ・トウゴウは窃盗の現行犯で逮捕され、保護観察処分を下される。彼に提示された更正プログラムは港街サスノックの「善き隣人にまつわる相談センター」での助手を務めること。半ばやけでサスノックに向かったキーチは、個性溢れる相談センターの面々に振り回されながらもだんだんと街に馴染んでいく。


なんとなーくイギリスっぽい国を舞台に、やさぐれていた少年が変な相談センター送りにされ、妖精さん絡みの相談業務を通し自分の居場所を見つける話。少年向けレーベルなのでちょっとしたサービスシーンがあったり少年以外のセンターの構成人員が女性だったりするのに違和感を感じなければ楽しめるのではないかと思います。そこら辺以外は竹岡さんだなぁーというような熱さというかテンションというかしんみりさがあるので(……もしかしたら、コバルトでかいていらしたときよりのびのびとしているかもかも……)。

竹岡さんのお話好きなんだけど、どどどどっと何となく高テンションで進んでいくお話はちょーっと苦手というのがあります(私にはストレイシープくらいのテンションがちょうど良いのです……)。今回のもまさにどどどどっと高テンションで進んでいく系だと思いますが、苦手ながらも楽しめました。少年の悩める姿やセンター職員との距離が縮まっていくところとかやり返してやったすかっと感とか気持ちよかったです。
あくまで導入的なお話というか、相談センターの面々の紹介程度に終わった感がありますので、続きもあるかもしれませんね。所長もいろいろ謎ですし、妖精絡みでどんな問題が起きるか楽しみです。

imgオトナリサンライク
竹岡葉月/八重樫南
ファミ通文庫(2008.08)
ISBN:978-4-7577-4364-8
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