マギの魔法使い 魔法使いは決断中! / 瑞山いつき

本の感想, 作者名 ま行瑞山いつき

ウィザードを崩壊させるために≪真実の星≫から種を託されたエメラルドはラグナが属する組織に連れられ、トトと共にマギに潜入していた。そして、もう一つの種を持つウォレスはエメラルドへの思いを胸に、ウィザードを崩壊させる道を選ぼうとしていた。

圧巻の最終巻、でした。満足満足。

逆ハーかと思ったら実はそんなことあんまりなくて、ツンツンツンなウォレスがデレへの攻勢をかけ始めてからラブが加速しまくったマギの魔法使い、最終巻。実は結構SFだったんだなぁという世界のからくりにはほのかにびっくり。そして提示されていた選択肢とそれを取った場合の結果が切ない結果を回避できそうになくて……だったんですが落ち着いたところはなるほど、と納得ずくのラスト。このシリーズが読めて本当に良かったなぁと思いました。

今回はエメラルドとウォレスがほとんど別行動なので直接的なラブい所はなかったんですが、ウォレスがたどろうとしている道やエメラルドがウォレスへの想いを貫こうとしている姿、そして二人が離れているからこその描写が多くてとてもキュンキュンしました。二人だけじゃなく、主要登場人物みんなに見せ場がったのも良かったなぁ。トトもラグナもハルベルトも格好良かった。でも、そんな中一番かっこいいのはエメラルドかなぁと思ってしまうのも事実。さらわれて脅迫されてと波瀾万丈すぎる一ヶ月半、だったのに流されることなく自分で自分の進む道を最後まで選び取っていったのがかっこよかった。自分の弱さも知っていて、それでも前を向いて凛と進んでいく姿は男前だ。

最後の最後のエピローグの後日談まで読むととても破壊力抜群。思わずごろごろっとニヤニヤしながら読んでしまいました。こういうラストっていいなぁ大好きです。最後までとても楽しめました。

imgマギの魔法使い 魔法使いは決断中!
瑞山いつき/結川カズノ
角川ビーンズ文庫(2009.06)
ISBN:978-4-04-449716-3
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