グランドマスター! 聖都をめざせ / 樹川さとみ

本の感想, 作者名 か行樹川さとみ

生真面目筋肉団長ハルさんが率いる<黎明の使節団>は、法王に謁見するために聖都と目指していた。道中、唯一の常識人シンドー書記は旧知の友を訪ね、神の秘められた真実を知る。一方、とある理由から別任務を帯て一行を離れたアスティルは、ハルセイデスの知り合いだという謎の人物に面会するのだが……

ハルさんの悲壮な決意とシーカの胸の内が少し語られたお話。

シーカーとハルさんの熟年カップル漫才とか、シーカのセクハラにはこんな理由があったのか!(理由を聞いてもやっぱりセクハラ以外の何ものでもないんですが)とかにちょっと和んだ一方で、シーカを狙う闇の組織やアスティルの葛藤など、クライマックスが近いのかなぁと思わせる出来事もちらほらと。
最後のハルさんの悲壮な決意には申し訳ありませんがとても笑ってしまいました……が、ハルさんはハルさんなりにシーカのことを大切だと思ってるんだなぁと思えてちょっとしんみりしてしまいました。しかし、ハルさんの悲壮な決意をもってしても、シーカの背負う運命は動かせなさそうで。シラスやドゥルガさんの謎とか、アスティルは果たして元に戻れるのか、とか法皇との謁見はいかに!ととても盛り上がるところですちゃらか中編が始まってしまってとてもこけてしまいました。続きまだかなぁ!

しかし、ここで中編がくるということは、短編(中編)集はでないということ……なのですかもしかして!読んでないやつもあるし、そうなると個人的にはちょっとゆゆしき問題なのですが……。

グランドマスター! 聖都をめざせ
樹川さとみ/松本テマリ
集英社コバルト文庫(2009.08)
ISBN:978-4-08-601321-5
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