夜来香幻想曲 約束の街と恋の招待状 / ひずき優

本の感想, 作者名 は行ひずき優

両親を亡くし、叔父の家で肩身の狭い思いをしてくらしていたキヨの元にとアーウィンと名乗る青年が訪ねてくる。アーウィンが言うには、キヨの父は異国の貴族で、キヨには父から残された莫大な遺産の相続権があるらしい。父母と過ごした想い出の地・夜来香にアーウィンと共に向かったキヨは、幼い頃の想い出の君を捜すのだが……

シンデレラストーリー+初恋の君はどこへ?というお話でした。

大戦前の上海をモデルにした異国情緒溢れる都市・夜来香を舞台にした女の子のシンデレラストーリー。序盤でこれは日本かな?そして上海っぽいところにいくのかな?とはっきり確証が得られるまでちょとつかみ所が無くて中途半端な楽しみ方しかできなかったんですが [1]察するのがとても遅い、元ネタが何かはっきり分かったあとは違和感なく楽しめました。
シンデレラストーリー部分もわりと終盤までどう転ぶか読めなくて [2]とても読みの甘い読者です、どうなることやらとちょっとヒヤヒヤしながら読めたので面白かったです。恋愛方面の部分は落ち着く所に落ち着いた感があり、安心仕様。そして、「彼」との別れは若干消化不良な部分があるなぁと思ったらこれ読み切りじゃなかったんですね~。読み終わった直後にこれはきっと細腕繁盛記になってるに違いないと妄想してみましたが、その期待は裏切られないのかしらとちょっと楽しみです。

一番気に入ったのは案の定仕立屋のおネエ系アンソニー氏。次も出番あるのかな?

夜来香幻想曲 約束の街と恋の招待状
ひずき優/香坂ゆう
集英社コバルト文庫(2009.06)
ISBN:978-4-08-601303-1
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References

1 察するのがとても遅い
2 とても読みの甘い読者です