少年魔法人形 キスからはじまる契約魔法 / 渡瀬桂子

本の感想, お気に入り, 作者名 や~わ行・他渡瀬桂子

意地と見栄が邪魔をし、なかなか素直になれないため友達ができずにいた委員長気質のエミリアは、偶然見つけた図書館の秘密の小部屋の少年人形を相手に様々なロールプレイを行い、来るべき「クラスの子とうち解けるため」の訓練を行っていた。しかしある日、エミリアはふとしたことからその少年人形の封印を解いてしまい、史上最強の魔法人形・ラスのマスターとなってしまう。魔法科に転科し、新天地で今度こそ友達をと意気込むエミリアだがやはりことはうまく運ぶはずがなく……

ツンデレ少女にツンデレ少年という見事なコンビネーションが絶妙な胸キュン物語を醸成し……面白かった!個人的には文句なくお薦め。

コバルトでも書いていらっしゃった渡瀬さんのアイリス進出第一弾(?)。
ツンデレとツンデレって話がすすむのかいな……と若干の疑問に思いつつ、読む前から凄い評判が良くて(※ただし、私の巡回範囲はとても狭いです)でとても楽しみにしていたのですが、その期待を裏切らないとても「ツンデレキュンキュン」なお話で、最初から最後までとても楽しむことができました。

まずはエミリア。がんばり具合がとてもかわいくて、そして思わず応援したくなるその見栄っ張り!と好きなタイプのヒロインでした。やっぱりがんばるヒロインはいい。対する人形のラス。口調は丁寧なものの口は悪いは横柄だわで慇懃無礼という言葉がぴったりでしたが、彼がエミリアに抱く思いを吐露するあたりはとてもごろごろしてしまいました。床ローリング小説認定。かの人がラスとラスのマスターとなる人物に託した願いも思わずじんとくるものがありました。
表紙からして三角関係物語かと思えば、対する王子様はとても「いい人」な頼れるアニキでもうちょっと絡んでくるのかと思えばいいところ取りしただけでさらっとしており、これは三角関係じゃないなぁと思ったり。主人公カップルも好きですが、王子様の大物っぷりも好きです。

きれいに終わっているのですが、続きも期待できるような……そんなお話でした。このまま終わってもいいんですが続きも読んでみたい!と思ったりしてしまうほどお気に入りです。

img少年魔法人形 キスからはじまる契約魔法
渡瀬桂子/鳴海ゆき
一迅社アイリス文庫(2009.11)
ISBN:978-4-7580-4122-5
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