ヴィクトリアン・ローズ・テーラー 恋のドレスと追憶の糸 / 青木祐子

本の感想, 作者名 あ行青木祐子

クリスの前に姿を消していたユベールが現れる。ユベールの恋人イヴリンがユベールに会いたがっていることを伝えるクリスだが、ユベールはイヴリンの前にはまだ姿を現すつもりはないという。それどころか、ユベールは闇のドレスから逃れるために自分と一緒に全てを捨てて逃げろと告げる。

シャーリーのドあほ。

シリーズ本編14作目。イヴリン・ユベール編の完結と爆弾投下の幕引きでした。

イヴリン関係は、これもひとつの愛の形かなぁと思いつつ、なんだか釈然としないものが残るなぁと思うのですが、そこら辺がどうでも良くなるくらいシャーリーの最後のアレには絶句してしまいました。ばか、ばか、これだからいいとこのボンボンは!よくよく考えてみると、シャーリーはクリスの気持ちをあんまり慮ってないですよね、すれ違っていないときでさえも(シャーリー的にはがんばってるかもですが)。想像力の足りないやつめ……。シャーロック製アイスクリーム製造器に和んでいたらこれだ。油断ならない。

ユベール視点でのクリスの過去が語られたり、ケネスが徐々に闇のドレスの真相に近づいていったりとこのあたりも見逃せない展開でした。そして、ユベールの「最後の仕事」関係のアレにはちょっとびっくりした。不思議力は基本的には働かない物語(のはず:恋のドレスはまあ気持ちの問題だ)なので超常現象ではないと思いますが、何がどうなってこうなったのか。驚愕のラストからの続きもできるだけ早く読みたいです。

imgヴィクトリアン・ローズ・テーラー 恋のドレスと追憶の糸
青木祐子/あき
集英社コバルト文庫(2009.06)
ISBN:978-4-008-601318-5
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