横柄巫女と宰相陛下 ある少女の思い出 / 鮎川はぎの

本の感想, 作者名 あ行鮎川はぎの

ノトは無事に夏至祭での役目を勤め上げ、先代・先々代の聖剣の巫女とともに湖畔での避暑に出かけ、先代巫女ローザの実家の別荘に滞在する。カノンが妹や婚約者であるノーラとともに家族の時間を過ごすことについて、間に入れないと感情をもてあますノト。ノトはしばらくカノンと離れて心安らかに休暇を過ごす予定にもかかわらず、ローザの実家の跡継ぎ問題にかかわる事件が勃発してしまう。

ついにラスボス登場っぽいです。

6ヶ月月連続刊行第3弾でシリーズ8冊目、避暑に行ってもやっぱり事件に遭遇するよ編。
先代巫女ローザ様のとローザの実家である六卿グエン家のお家騒動にノトとカノンが巻き込まれるお話です。毎度ながらどことなくやるせない結末を迎えたお話でしたが、グエン家騒動よりの顛末よりも最後のあの人の秘密にはびっくりだ。なんかあやしいなぁと思ってたらそれか!みたいな感じで。なんか、すっごいさわやかに嫌がらせをしてきそうですねぇ。
グエン家といえば、あの格好良かったアナさん(楽園の塔にご出演)の実家なのですが、アナさんが出てこなかったのは残念だなぁ……ダンナは出てきたんだけど。

ノトの先代、先々代の巫女のノトに対する言葉がとても重たかったです。国王と決して交わらない道に進むことになった先々代、その想いを封印して家のために巫女になった先代、どちらもノトが今現在悩まされていることを乗り越えて巫女の職を勤め上げただけに説得力がありすぎます。この二人の言葉と今回明らかにされた事件を受けてノトが選んだ決断は……ノトらしいと言えばノトらしいのですが!切ないわ。

重苦しい展開の連続でもリリィ様はリリィ様らしくリリィ様だったので、もうこの人の才能にはひれ伏すばかりです。しかも全く状況読まないで真実をついていたりとリリィ様最強。今後もリリィ様には重苦しい場を流れを読まず和ましてほしいです。

img横柄巫女と宰相陛下 ある少女の思い出
鮎川はぎの/彩織路世
小学館ルルル文庫(2010.05)
ISBN:978-4-09-452159-7
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