悪い魔法使いはいりませんか? / 矢貫こよみ
「稀代の悪い魔法使い」アルゲルの弟子スイハは、アルゲルが王宮を追放されたときに残した「王子が18歳になったら呪ってやる」宣言(アルゲル本人は面倒くさくなって放棄)を実施すべく、相棒のフクロウと共に王宮に乗り込んだ。しかし、当の王子シャヤールは既に何者かに呪われており、やむにやまれぬ事情からスイハはシャヤールの解呪を手伝うことになる。
アルゲル様のターンをずっと待ってました。
ルルル文庫の第三回ライトノベル大賞奨励賞受賞作品。ランプの精とかがうようよしてそうなアラビアンの世界で繰り広げられる「凄い魔法使い(ただし世間一般的には悪)」の弟子のとても元気で前向きなお嬢さんと、彼女の呪いのターゲットになるはずが既に呪われていたという王子様のお話でした。
全体的にさっくり気軽に読めて、かつ面白い!というとても素敵な少女小説でした。やっぱり元気な女の子になんかしらんけどかっこいい王子様というのは鉄板やのう……。でも、個人的にはタイトルみたときに、「これはお師匠様と弟子のラブコメに違いない!」と思ってたんでそこをすかーっと外されたのはいい意味で裏切られた!と思います。……いやでも最後までお師匠様のターンは待ってた。
あと、特記すべきはもふもふ。わんこかわいいよわんこ、フクロウかわいいよフクロウ。なんだかまだまだ続けようと思えばいくらでも続きそうなお話なので、次は生意気わんこの活躍に期待したいです。