恋する王子と受難の姫君 / 小椋春歌

本の感想, お気に入り, 作者名 あ行小椋春歌

ペンテレイアの下級兵士ミラは、ペンテレイアを訪問中の隣国の王子アレクシスに助けられ、さらに異様なまでに気に入られてしまう。亡くなった初恋の人そっくりだという理由でミラをかまい続けるアレクシスに押され、ミラはアレクシスに付き合うが、ますますヒートアップするアレクシスのミラへの執着はとどまるところを知らず、ミラは困惑する。

ドタバタコメディ、面白かった!

第13回えんため大賞特別賞受賞作。ビーズログさんの新人さんは自分から手を出すことはあんまりないんですが、書店で見かけてふらっとついつい……買ってしまいましたが、面白そうという直感ははずれてませんでした。「最終的にみんなが幸せになれるラブコメ」で、大層楽しめました。

イケメンだけどその執着ぶりというか暴走ぶりというかが酷いの一言に尽きる、残念な二枚目のアレクシス王子が面白すぎます。そりゃ逃げるわなーと若干あきれる(むしろ引いた)のも事実なんですが、そして人によっては拒絶反応でるかもしれませんが、個人的にはセーフ。そして追われるミラの秘密も……面白かったです。下手に感想書くとすなわちネタバレ、みたいな展開ですが、なんだ、その、このドタバタっぷりは個人的に好みです。ミラの兵士仲間もいい味出してた!

こういう読んだ後にすかっと幸せになれる(登場人物のその後が幸せかは、今回に限ってはちょっと考えないでおこう)物語は好物なので、次回作も楽しみだな。同じようなテンションは難しいかも知れませんが、楽しい物語を期待しています。

img恋する王子と受難の姫君
小椋春歌/加藤絵里子
B’s-LOG文庫(2011.06)
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