ショコラの錬金術師 / 高見雛

本の感想, 作者名 た行高見雛

国立錬金術アカデミーで万年次席のイルゼは、急にアカデミーを辞めてチョコレート職人になると飛び出した主席のアニカを呼び戻すため、アニカが弟子入りしたというチョコレート屋さんに向かう。そのチョコレート店は、採算度外視の超安値でおいしいチョコレートを作る兄弟がいるという評判の店で……

まさかの、年の差もえ(すいませんすいません)

コバルト文庫のノベル大賞読者大賞(?)受賞作の文庫化。錬金術師の卵の女の子ふたりが、チョコレート店の陰謀に巻き込まれて(むしろ、飛び込んでいった女の子とそれにつきあわされた女の子)というお話でした。錬金術の技を生かしておいしいチョコレートでも作るのかと思ってたんですが、この子食べてるだけよ!とびっくりの展開でした(期待しすぎた?)

それはさておき。お話自体はかわいらしいながらもなかなか面白く、個人的には好みです。イルゼとアニカの微妙な関係が好き!そしてまさかの生活破綻者なおっさん(といったら失礼ですが)との年の差小さな恋のメロディ(が奏でられていたように思う)にもえるひがこようとは……!このあたりは予想してなかったのですっかり転がりました。しっかり者と(いざというときは頼りになるけど)普段はなんとなく頼りにならない年の差はよいものだ。
個人的にはイルゼのシスコン兄様たちを是非とも見てみたいので、続きが読みたいなぁ……。そこはかとなく期待しています。

imgショコラの錬金術師
高見雛/起家一子
集英社コバルト文庫(2011.07)
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