姫さま、恋愛禁止です! / 響野夏菜
「結婚すると国は繁栄するが、好きな人と結ばれると死ぬ」という難儀な託宣を受けた王女アリーは、「馬面の王子様ならまあ大丈夫だろう」という結論を下し、隣国のリオハルト王子と結婚する。しかし、結婚式の当日にアリーの前に現れた馬面リオハルト王子に恋してしまったアリー。そしてなぜか結婚式中に呪いが解けて元の人間にもどるリオハルト。「好きな人と結ばれると死ぬ」という託宣を実現させないために、アリーたちは新婚ながらイチャイチャを禁止されてしまう。
じい(25歳)が最高すぎる。
イチャイチャできないのに終始甘くてなにこの人たち……(褒めてる)とニヤニヤしながら読んだ一冊でした。難儀な託宣を受けたにもかかわらず、まっすぐで素敵な王女様と、王女様の旦那さんのお互いを大事に想うところが良かったなぁ!
で、「好きな人と結ばれるとアリーが死ぬ」のに、放っておいたらすぐにいちゃいちゃ始めるふたりに捌きの鉄槌を食らわすのが、アリーの教育係のじい(25歳)ラディム。いいところで面白く登場するので、コントの如くいつ出てくるのかなぁとワクワクしながら読むというちょっと間違った読み方をしてしまいました。この本のタイトルも、ラディムの一言ですねこれは。アリーの元侍女や、リオハルトの側近など周囲の人物もよかったです。陰謀面は若干力業というか、そうくるか(しかし言われてみればそれしかないな)という結末で、単純に感心してました。怒りの拳の炸裂は気持ちが良かった!