伯爵と妖精 オーロラの護りを胸に / 谷瑞恵

本の感想, 作者名 た行谷瑞恵

イギリスに戻ったリディアたちは、組織から逃れるため、そしてエドガーの記憶に記憶が戻らないようにするために、とある老婦人姉妹の屋敷に身を寄せることになる。屋敷では、老婦人の姪ローレント仲良くなったリディアだが、ローレントの距離を次第に縮めていくエドガーに嫉妬してしまう。

ケリーさんにアドバンテージが!(地味に落ち込むレイヴンがかわいい)

よく見ると帯に最終章突入とか書いてある、そんなシリーズ28冊目。エドガーの記憶を封印し、寄り道短編を挟んでの一冊。リディアのエドガーに対する想いはもちろんなんですが、記憶を失っても変わることのないリティアに対するエドガーの想いが非常に胸キュンものでした。記憶がなくなってただのタラシに逆戻りかと思えば(そして実際前巻の短編ではそんな感じ)、心の奥底ではリディア第一なんですよねぇ。一方のリディアは思いを伝えることができないし、エドガーに答えるわけにも行かなくて、と、このやるせなさが切ない。
そして今回は思わぬ人の再登場でちょっとびっくりでした。私、最後の方はすごい不安だったんですが、まさかこのタイミングで彼の人が再登場かー、といい意味で予想外の展開でした。

一方、ニコさんをめぐるレイヴンとケリーさんの攻防も一進一退です。ニコ、ある意味ハーレムじゃないか。本筋の方も楽しみなんだけど、ニコをめぐる争いもどうなるか楽しみです。

img伯爵と妖精 オーロラの護りを胸に
谷瑞恵/高星麻子
集英社コバルト文庫(2012.04)
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