花嫁の選択 東で石は宝珠に輝く / 小田菜摘

本の感想, 作者名 あ行小田菜摘

サイ国の総督として赴任したアスライに付き添いサイ国に向かったイリーナは、サイ国での予想以上のアスライへの反発を目の当たりにする。総督府ではオルドブライの支配に合わせ、古来からサイで行われていた官試を廃止しようとしていたが、サイの官吏の反対にあいなかなか先に進めずにいた。

今回のゲストキャラ、いろいろと驚きの真実。

無慈悲な将軍として恐れられるダンナの中国っぽい国への赴任についていったロシアっぽい国出身のお妃さまの奮闘を描いたシリーズ三冊目。ゲストキャラの少年はきっと何かあるなぁ、もしかしたら女の子かも!(男装希望)などとほわほわ想像していたら、それ以上に驚きの真実でした。まさかここで持ってくるとはねぇ。すいませんが、アスライの背景をすっかり忘れていたのでその可能性になかなか気づけませんでした。

と、深く考えずに読む読者としてはいろいろ驚きつつ、アスライ弟のメルキデイの青さと若さと一生懸命さに和みつつ、いやーな感じの悪役にむかっとしつつとなかなか楽しく読めました。本編終章前の1ページを読んで、これで終わりかーと思ってしまったのですが、終わりじゃないという事実にちょっと安堵です。いやでもあの1ページのような記述は、一冊目につけるんじゃなかったらシリーズ最後につけるようなもんじゃないのかなとかなんとかいいながら、次の地での二人の物語も楽しみです。

花嫁の選択 東で石は宝珠に輝く (花嫁の選択シリーズ) (コバルト文庫)花嫁の選択 東で石は宝珠に輝く
小田菜摘/池上紗京
集英社コバルト文庫(2012.04)
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