<赤の女王>候補生 退学はロマンスのはじまり!? / 響野夏菜
女性にしては珍しく強力な精霊召喚の力を持つため、女性としては百年ぶりに召喚士のための学院に入学することになったマーシュだが、本人にやる気はなかった。一刻も早く学院を退学できるようにと、学院一の「ワル」エヴァンに退学するための助力を依頼したが、エヴァが提示したその方法はマージュが到底受け入れられるものではなかった。
元気のいいヒロインでした。
響野さんのアイリス初進出作?は元気のいい女の子と、陰険ヒーローと、女の子の護衛と、陰険ヒーローの爽やか親友(でも多分腹黒)の織りなすドタバタ(ちょっと)コメディでした。ヒーローのマージュがわりと暴走型というかなんというかで、この子の性格が場合によってはアウトな場合もあるかなぁ、と思いながら読んでいました。私はセーフの圏内だったんですが(取り返しにつかないことにはなっていない、ちゃんと周囲を見ている、なんのかんので自分の立ち位置はわかっている等)。かなり初期に、この物語の一番のセールスポイント?の「退学になるための不純異性交遊」のあたりは通り過ぎてしまっているような気がしなくも……ないです。マージュちゃんのせられやすいからなぁ。
個人的には、事あるごとに殺気をむき出しにする護衛君のエヴァンへの殺意が面白かったです。報われそうにないんですが、それがまた面白い。
<赤の女王>候補生 退学はロマンスのはじまり!?
響野夏菜/仁藤あかね
一迅社アイリス文庫(2012.05)
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