宝塚-月組 / ベルサイユのばら オスカルとアンドレ編
宝塚歌劇99周年の最初の公演、ベルばらのオスカルアンドレ編を見て参りました。
宝塚のベルばらは様式美、といいますか、綿々と受け継がれたアレコレがあって(そんなに長い間ファンをやっているわけではありませんが)昔から変わらないなぁ、変わらないのもいいけどもうちょっと変えてもいいんじゃないかな(つまり、少々古臭すぎる)というところがあるんですが……今回は結構演出に変更があって、「ベルばらなのに!面白い!」(※ベルばらは元から面白いです。が、あーベルばら……と思うところがあんまりなかった)と感心しました。面白かった!
今回は月組さんオンリーの配役(2パターン)と、蘭寿さんや壮さんをアンドレに迎えての特別バージョンとの4パターンの公演があり、いろいろ悩んだんですが思い切って(休みとって)龍さんオスカル-蘭寿さんアンドレと、龍さんオスカル-明日海さんアンドレの2パターンを観て参りました。
龍さんオスカルは、想像以上にオスカルが「乙女」で、何この妙に可愛いオスカルとにやっとしてしまいました。オスカルらしい凛々しいところはもちろんかっこいいんですが、フェルゼンの前で、アンドレの前で、パパ上の前でのあの女の子っぷりったら!アンドレと二人っきりの時にオスカルがアンドレを呼ぶ時、「アンドレー(はーと)」とハートマークが語尾に付いているのは間違いない。恋愛の対象と考えていなかった時から、ハートマークがついていたのは間違いない。かわいすぎてどうしようかと思いました。ハートマークがついてなくても「アンドレェ!」と小さなエがついてたのは間違いない。
蘭寿さんアンドレは、予想通り非常に熱いアンドレでした。頼りになるアニキにしか思えない……。同じく無駄に熱い星条さんアランとのやりとりでは、あそこだけ世界が違いました。あっつー!(褒めてる)。そして最後のシーンは明らかに全弾命中してる。律儀だ!
明日海さんアンドレは、アニキっぽくはなかったのですがオスカルを影に日向に追いかけてる様子がよく伝わって参りまして……これはちょっといじりたい系のアンドレ(笑)。
後は忘れてはいけないいい男揃いの衛兵隊。一幕では隊士はやさぐれているのでみんな開襟。タカラジェンヌの限界に挑んでいたように思います、特にアランの開襟度が(笑)。みんな熱くてかっこよくて、アンドレとの友情がよいものでした。そして実は最後のほうとてもいいポジションでかっこ良く決めているラグー大佐が素敵だった!
今回の新演出でかっこいいなぁ、と思ったのは、一幕最後の国王様が出てくるまでの所(今まではなかったような。新しくなかったらすいません)。ああいうそれぞれの立場で言いたいこと言いまくって歌って踊る、というのが大好きなんですよねぇ!(参考:スカピンの一幕最後。銀英伝の一幕最後)うわ、かっこいい!と鳥肌がたちました。
で、今回の演出の目玉であるガラスの馬車に乗ってのお迎えですが。アンドレが「オスカール」とお迎えに来る所で(アンドレが誰であろうと)絶対に笑う、と思ってたやらやっぱり笑ってしまいました。すいません。そして、噂の空飛ぶ馬車ですが……。馬車に乗ってるオスカルとアンドレが大層幸せそうで本当に良いシーンなのですが、いかんせん空を飛んでるからなぁ。空。クレーン。最初見たときは笑うよりも、思った以上に高く飛んでたのであっけに取られていただけだったんですが、二回目は本気で肩を震わしてしまいました。しかも、いろいろあって馬とガチで目が合うところで見ていたので……後ろのオスカルとアンドレが見たいのに、一度目があってしまうと視線を外せない馬!つぶらな瞳!これはもう馬を見ざるを得ない!もったいないことをした……。
フィナーレは短いながらもかっこいいところも多くて、フランスもののショーを見たいなぁと思わせてくれるにくい構成。デュエットダンスがこれまた変則で、私が見たときは蘭寿さん(男役)-龍さん(娘役)、龍さん(男役:オスカルなのに)-明日海さん(娘役:アンドレなのに)と特に後者は混乱をきたしそうなポジションでなかなかおもしろかったです。
続いては春のフェルゼンとマリー・アントワネット辺も楽しみだな。次も役替りをきちんと見よう!