<恋死に王>と迷子の寵姫 / 平川深空

本の感想, 作者名 は行平川深空

歴史書を編纂することに従事する一族に生まれたミアナは、念願の史官となり最初の仕事として、約百年前のウールス王国の王であり、戯曲の題材としてもよく取り上げられる<恋死に王>について調べることになる。少しでも正確に歴史を記したいと悩むミアナは、突如100年前にタイムスリップし、<恋死に王>本人であるウールス王サグェンに保護される。

最後のオチに、ふむふむ、と。

ルルル文庫の新人さんの二作目。前作に引き続き、物語の雰囲気が私好みの一冊でした。

女の子のなんとなく良いなぁと思える友情や、かっこいいおばあさまや、なつく大型犬(違)や、タイムスリップしてそこで恋に落ちるところや、王様とその笑顔の腹黒腹心など、色んな要素はとても美味しくて素敵なんですが、なんだかちょっと物足りないなぁというのが合ったのも事実であります。一番物足りないのは、悪役さんですけどね!前作よりはクライマックスで盛り上がっていたのでワクワクしましたが、あとちょっと!のところが多かった、かな。<恋死に王>が「寵姫」の進言で決意した、のあたりももうちょっと厚みがあったほうが納得できたかな。

といろいろ思いつつも、最後のオチがこれしかないなぁと思いながらもそうくるかー!(こういうの大好きです)だったので、引き続き次回作も楽しみにしております。

<恋死に王>と迷子の寵姫
平川深空/凪かすみ
小学館ルルル文庫(2012.12)
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