OSK日本歌劇団 / レビュー 春のおどり ~桜咲く国
松竹座でOSKさんの春のおどりをみてきました。
数年前から一度見てみたいなぁ、と思っていた「春のおどり」を見ることができて、そしてとても私好みのショーの二本立てで楽しかったです。
一幕目はとても綺麗な春の群舞から始まる「桜絵草紙~浪花バージョン~」。出だしからきれいでキラキラしてて、そして男役さんのお衣装も娘役さんのお衣装も素敵な(舞台)着物で大層眼福でした。なにやらおめでたい踊りや、浦島太郎物語や、大正時代か明治時代くらいを舞台にした書生さんと娘さんの悲恋ものなどいろいろバラエティに飛んでいて面白かったです。東京ブギウギを使った場面なんかもあって、OSKの歴史もかいま見られるようなショーでした。
すごいなぁ、と思ったのは3トップさんによる「連獅子」のラスト。わたし、歌舞伎を見たことがないのでもちろん連獅子を生で見たことがないのですが、すごい迫力でえらいもんですなぁ……と感心しながら観ておりました。
二幕は打って変わってノリノリの洋モノショー「Catch a Chance Catch a Dream」。これがまた私のツボにジャストミートなショーでして!全員参加のOPとか、可愛い衣装とか、期待せざるを得まい!と思っていたら全般的にすごく好みのショーでした。圧巻だったのは、やっぱり最後の方のほぼ全員参加のジャズの総踊りでしょうか?入れ替わり立ち代りでノンストップで次々と繰り広げられていくスピーディーなダンスがすごかったです。
しかし、このショーで一番すごいなぁと思ったのは男Aとヒロインがキャッキャウフフしているところに男Sがでてきて(たぶん、ヒロインは男Sの恋人)、男Aがまずっとかこのやろうっとか思ってたはずなのに三人で踊っているうちに男Sが男Aを陥落させて、なんか三人でラブラブになっている、(念のため反転)という私の理解の範囲を超えたなんともアダルティな、あの場面……(笑)。いやこういうのたまに見ますけど、そしてなんとも言えない耽美な雰囲気は好きですが(笑)。なんというか、すごいなぁと思いました。
もう一つすごいなぁ、と思ったのは、娘役さんのダンスユニット・チェリーガールズのパワフルなダンス。娘役さんが目立つ場面が多いOSKはそれだけでも楽しいのに、かっこいいダンスがこれまたたまらなかったです。
第一部も第二部も楽しくてきれいでな素敵なショーだったので、ショー好きな人は見て損がないと思うなぁ。
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コメント一覧
地元東京の日生劇場を経て大阪松竹座「春のおどり」前楽と千秋楽を観劇しました。東京での完成度が高かったので、松竹座はどうかと思っていたら一部「鏡の夢」は若手男役による三番叟に、「鶴」が竜宮城の景に変わり、流石OSKと感じ得ました。松竹座公演はレビュー芸術の域に達していたように思いました。
OSKの本当の醍醐味、彼女たちの修練・鍛錬の凄さ、サービス精神の旺盛さは武生菊人形グランドレビューなしには語れません。
私も4年前に武生を初めて観劇してOSKの真髄を知ったように感じました。70余日平日二回公演、土・日・祝祭日三回公演を20人も満たないメンバーで、ストーリー物&日舞&洋舞で60分演じ切る彼女たちを目にして感動と生きる希望を与えて貰いました。春のおどり&レビュー・イン京都以上のインパクトの強い武生公演なしにOSKは語れないです。
OSK日本歌劇団の彼女達は世界で一番、レッスンして、公演中も日々成長するチームかもしれません。日舞、洋舞とも群舞はどの劇団よりも揃い調和していると思います。日生劇場での完成度から鑑みても、引続きの大阪松竹座での完成度は更に磨きがかかると思うと、これは大阪まで観劇に行かなくてはと思いました。30余人で演じているとは信じられない、全景人の出し入れの妙は凄いです。男役は歌う時キーを無理に下げていないので、聴きやすくまさに男装の麗人。女役はセクシーで、ダイナミックで美しくレビューはやはり女役が多いほうが自然に感じます。洋舞のチェリーガールズからラインダンスの展開は圧巻。名倉加代子振付のジャストダンスはダンスシーンに残る名場面だと思います。舞台化粧も美しく、衣装はシンプルで洗練されています。これからも、私のエネルギーの源として応援し続けます。