銀の竜騎士団 空翔ぶウサギと荒野の罠 / 九月文

本の感想, 作者名 か行九月文

アズィールで後継者争いを繰り広げている中、暗殺されかかったらしい第一皇子アルシェイドを保護したシエラは、ローレンシアへ火の粉がかかるのを防ぐため、アルシェイドに扮して第一皇子の陣営に行くというスメラギを送り出す。順調に行くかに見えた作戦だが、アルシェイドを暗殺しようとした人物やその背後の第二皇子の策略により、アルシェイド軍は壊滅、そしてスメラギはアルシェイドとして捕らえられてしまう。

シリスさん!という展開で続きが待たれます。

本編シリーズ9冊目で(あ、短篇集まだ読んでないわ)、帝位継承編の2冊目。ローレンシアの内部よりもその隣国アズィールがもたらす火種にどう対応しましょうか、というお話でした。わりとすんなりとスメラギさんが「アルシェイド」として受け入れられ、なんだかすんなり行きそう……というところでこれまたいろいろ問題勃発で。アズィールの帝位問題というよりも、スメラギさんの真のご実家問題も絡んで来そうな展開で、どこまで話が大きくなるのかなぁ、と。

前回に引き続き、ルーシェの真っ直ぐさ(オプション:恋する乙女の強さ)がむず痒いといいますかなんといいますかなんだけど、そのあたりは、まあ、少女小説だし。その代わり、汚れ役をすべて引き受けてるシリスさんの思い切りの良さがついに今回行くとこまで行ってしまったような展開に、どうするのこれ!と思わずにはいられません。多分大丈夫とは思いますが、えー、シリスさんが幸せになれる展開をぜひぜひ、お願い致します……。

銀の竜騎士団 空翔ぶウサギと荒野の罠
九月文/明咲トウル
角川ビーンズ文庫(2013.09)
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