天翔る旋風 三国志断章 /朝香祥
待ってて良かったけどこれで(たぶん)最後かと思うと切ない……
コバルト文庫、そしてビーンズ文庫を経てまさかの角川書店からの単行本の「かぜ江」。この直前がビーンズ文庫から出た『運命の輪が廻るとき』(2003年 [1]当時の自分の感想が青いわぁ……(なのでリンクしない))なので、ちょうど10年ぶりという事実に一瞬遠い目をしてしまいました。孫策と周瑜の嫁取りがよみたいなーよみたいなー!と騒いでいたのですが、そしてもう諦めていたのです!待っててよかった!読めて良かったです。あっさりだったけど!二喬かわいかったので十分満足!
赤壁の戦いが終わって、のところまで描いた作品なので、孫策と周瑜の物語としてはこれにて完結でしょうね。二人の思い、そして二人を取り巻く郎党、家族の思い。淡々と、しかし熱い物語ですごく面白かったです。孫策・周喩、そして二喬のあれこれも良かったのですが、一番わーなんて切ない!ともだもだしたのは珠(孫権妹)。あくまでも「大事な妹」としか自分をみない周喩への切ない思いと、その思いを封じて孫家の姫としての役割を果たそうという決意がねぇ、もうかっこよすぎて。いいなぁ、珠姫の男前なところが本当に素敵でした。
三国志にそれほど造形が深くないので(私の三国志は人形劇三国志と真・三國無双シリーズで完結している)、これちが~う!と思うことは何もなく、それどころか脳内では無双シリーズのビジュアルでシーンが再現される始末でし、た……。コバルト・ビーンズの既刊を読むと所々で「ぐっ」と来るところはありましたが、なんせ私も既刊を再読せずに読んでなんに問題もなかったのでこれだけでも十分楽しめると思います。
天翔る旋風 三国志断章
朝香祥
角川書店(2013.10)
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References
↑1 | 当時の自分の感想が青いわぁ……(なのでリンクしない) |