シンデレラ伯爵家の靴箱館 恋する乙女は雨を待つ / 仲村つばき
おもしろかった!アランが新たなお兄ちゃんの境地を開いてくれた(それ本題じゃない)。
普段は引っ込み思案だが靴職人としての腕は確かなもので、靴にかける想いは人一倍のエデルと、ご先祖様の「遺品」を回収することを使命とし、そして靴店の若き経営者であるアランの物語なのですが、これが面白かった!少女小説の「職人さんモノ」って結構面白いのが多いのですが、これも例にもれずいいものだったなぁ。なんでだろう、手に職をもっているヒロイン、というのが個人的にポイントが高いのだろうか(笑)。
それはさておき、お話としては「シンデレラ」をモチーフとしつつ、シンデレラは実は悪女だった!というところから派生して子孫がいろいろ苦労しているんですよーというのが面白いなぁと思いました。そしてそれに絡めてのアランとエデルのあれこれが、これまたいいものなんですよねぇ。特に最初印象最悪のアランがだんだん好青年に見えてくるこの展開が、にくい。少女小説っていいものです。そして、アランはいつ妹に遊ばれていることに気付くのでしょうか。エデルとの関係もですが、妹にいつまで遊ばれるのかも気になります。
というわけで、主にエデルの鈍感さというかこれはいつ気付くんだ!というじれじれ感がいろいろとたまらないので続きも楽しみです。期待しています!
シンデレラ伯爵家の靴箱館 恋する乙女は雨を待つ
仲村つばき/あき
ビーズログ文庫(2014.05)
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