偽姫 乙女の選択と下克上な猟犬たち / 藍川竜樹

本の感想, 作者名 あ行藍川竜樹

伯爵令嬢リリアの侍女ティナは、昏睡状態に陥ったリリアに成り代わり公爵の跡継ぎとして天空城に出仕し、御曹司たちの求婚を受ける日々を過ごす。天空城での生活に慣れてきたティナに、次は社交界への「リリアのお披露目」という課題をこなすことになる。

続きがでてよかった、と思いましたのでぜひとも3巻目も。

強力な守護獣と契約してしまった小動物系のヒロインが肉食系の貴族社会に放り込まれて揉まれる話。無理をして(そして身近な人にはバレてる)男勝りのリリアのふりをするティナが時折見せる男気がかっこよかったなぁ。覚悟を決めたリリアが素敵だった。
素敵といえば万能侍女のモリィちゃんもね……あの子、どれだけ引き出し持ってるんだろう(笑)。
今回はあやしい、あからさまにあやしい!と色んな意味でドキドキしながら読んでましたが、あやしいのはあやしいなりに予想の若干違うところに着地して、最後まで展開読めず楽しかったです。藍川さんはきついところをさらっともってくる容赦無いところが結構好きです。

伏線バリバリで気になるところがたくさんある上にここまで進むかーと感心していたところで、あとがきを読んだら3巻目が出るとは明言されておらず、世知辛い世の中だなぁ、と。このシリーズはぜひ最後の着地点まで読みたいので、引き続き続きもお待ちしております。

偽姫 乙女の選択と下克上な猟犬たち
藍川竜樹/アオイ冬子
集英社コバルト文庫(2015.08)
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