ユニコーンの聖乙女 聖獣と乙女の契約事情 / 森崎朝香

本の感想, 作者名 ま行森崎朝香

病で両親を亡くし、結婚させられそうになっていたオルナは森の奥でユニコーン・クインティゲルンに出会う。自称婚約者に迫られ危機一髪のところをクインティゲルンに救われたオルナは、そのままクインティゲルンと契約し、ユニコーンと契約した乙女たちがあつまるレーアの館に身を寄せることになる。

ユニコーンさんが面白かった。

ユニコーンと契約することで癒やしの力を得る「ユニコーンの乙女」になったオルナと、そのユニコーンの物語。通常の「乙女」の選別ルートとは別ルートでユニコーンと契約したオルナとクインの絆が見どころ。
クインが「一番の乙女にはなれない」と断言されて、そこで「二番目を目指す」という路線に舵を切るオルナの潔さが面白かったです。「ユニコーンの乙女」以外の点はどちらかというと男尊女卑の世界で、表立っての行動はしないもののどことなく閉塞感を持て余すオルナが村をでて、そしてレーアの館でも自分の信じる路を突き進んでいくオルナのたくましさが良かったです。

ただ、悪役関係とその一連の事件とその始末については釈然としないというかなんというかなんですが、クインの隠れデレ(基本ツン)が面白かったのでその辺りは相殺で。

ユニコーンの聖乙女 聖獣と乙女の契約事情
森崎朝香/鳴海ゆき
一迅社文庫アイリス(2015.07)
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