死にかけ花嫁と革命の鐘 / 藍川竜樹

本の感想, お気に入り, 作者名 あ行藍川竜樹

拡大をつづけるブルク帝国の花嫁として嫁ぐことになったアルディナの王女ヘルミナだが、彼女自身はこの年まで生きていること不思議なくらいの虚弱体質かつ病気持ちだった。ブルク帝国に半死になりながらたどり着いたヘルミアは、結婚の日までの世話係としてヘルミナ付となったカエサルが皇帝への反旗を翻そうとしていることに気付く。カエサルの同士として自分を迎えるようもちかけたヘルミナをカエサルは……。

おもしろかった!少女小説ヒストリカルロマンはよいものだ……!

なんで生きてるかよくわからないほどの虚弱体質の王女様と、王女様の世話係となった公爵様が革命を目指すお話。おもしろかった!
虚弱体質の病気持ちの王女、という立場から必要な知識を身につけ、敵地でたくましく(寝込みながら)仲間を増やしていき、自身の病気ですら利用するヘルミナがかっこいいんですよねぇ。対するカエサルも正統派好青年で、ヘルミナを反乱組から遠ざけようとするもヘルミナに押し切られ、同士となった後の二人の二人三脚の取り組みがこれまたよいものでした。
なんだったら上下巻くらいでじっくり進んでくれてもいいのに、というくらいの後半早めの展開で、そして暴君と呼ばれる皇帝にはむかったにしては捕まっていた反乱組がちゃんと生きてるのがちょっとあまいかも……でもコバルトだしな……というところもあったりなかったりなんですが、そのあたり含めて私好みの物語でしたので、次の「死にかけ」の物語も無事刊行されているらしく、楽しみです。

死にかけ花嫁と革命の鐘
藍川竜樹/加々見絵里
集英社コバルト文庫(2016.04)
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