恋するシェイクスピア 十二夜 ―身代わり小姓と不機嫌な公爵― / 吉村りりか

本の感想, 作者名 や~わ行・他吉村りりか

双子の兄と家出同然での巡礼の船旅の途中、嵐に巻き込まれ船が難破し兄セバスチャンとはぐれてしまったヴィオラ。しばらく生き延びるため、男装してシザーリオと名乗り、気難しい公爵オーシーノの小姓として使えることにする。オーシーノは伯爵令嬢オリヴィアに求婚しており、オーシーノに代わりオリヴィアに求婚の言葉を伝えにいったシザーリオ(ヴィオラ)にオリヴィアは一目惚れをする。

男装は時を超える……

ライトノベル版シェイクスピアの二作目。前作のロミオとジュリエットが悲劇なら、これは完全無欠の喜劇のハッピーエンドなので純粋に楽しかったです。やっぱりハッピーエンドはよいものだ……。雲屋さんのイラストも素晴らしかった……そして、十二夜は読んだことがないというような話をしていましたが、よく考えたら映画っぽいのを見たことがありました。なんか知ってた。

ヴィオラはなんのかんのとオーシーノに惹かれてるし、オーシーノも(いろいろあってオリヴィアに求婚しているものの)シザーリオにこてんときてるし(しかも男装)(読者的には美味しい)、オリヴィアもオリヴィアで恋は盲目状態だし(シザーリオは男装の女性よ!っていうツッコミをしながら読むのが楽しい)、オリヴィアの親戚と家臣団はおかしな感じでおもしろいし、中盤以降のヴィオラとセバスチャンによる時間差対応による混乱状態が非常に楽しく(これぞドタバタコメディ)、男装ラブコメは時を超えるな、と感じました。

面白かったのでシェイクスピア少女小説化シリーズで他のも出してほしいなぁ。できれば悲劇より喜劇で一つよろしくです。

十二夜 ―身代わり小姓と不機嫌な公爵― 恋するシェイクスピア
吉村りりか/雲屋ゆきお
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