後宮天后物語 ～簒奪帝の寵愛はご勘弁!～ / 夕鷺かのう
皇宮の中でも冷遇されていた公主・雛花は幼馴染の武人・志紅に恋心をいだきつつも、兄である皇帝・黒煉を補佐するための天后を目指していた。しかし、ある日志紅は黒煉を殺し、帝位を簒奪した上、雛花を妻として迎え後宮に監禁してしまう。
親友を殺しての帝位簒奪がおきるのこれ……？というコメディタッチな序盤でしたがちゃんとシリアスを経由してコメディになってた！（結局コメディ）
夕鷺さんの新作は中国風なファンタジーで、帝位簒奪モノ。ヒロインの雛花はネガティブな前向き（相反しているけどそうとしかいいようがない）で発言がだいたい面白いのに可愛い恋する乙女で、出だしがコメディ色が強かったので、あらすじ通りの悲壮な展開にどうやって持っていくのかなぁと思っていたら、わりとざっくりときつめの展開に持っていかれるのがさすがでした。
志紅が終盤近くまで何を考えているのかよくわからない部分が大きくて、まさか字面どおりの簒奪ではないよなぁ、でもなぁ……というところからの小出しの背景がこれまた重く、どろどろしていて、基本コメディだから私これ読めるけど全編これは無理！（褒めてる）という展開でした。
主役二人は言わずながら、周囲の人物も面白くて楽しかったです。お兄ちゃんはもちろんのこと、お兄ちゃんが選びぬいた後宮の妃嬪たちが想定外のところからきた！とかなり楽しかったです。頼りがいのある人生の先輩は楽しいなぁ……。続きも楽しみ。
後宮天后物語 ～簒奪帝の寵愛はご勘弁!～
夕鷺かのう/凪かすみ
ビーズログ文庫（2018.01）
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