こちらは、国内ワケアリ旅行代理店です。 もしもし、観光地の怪奇解決もできますか? / 八巻にのは
高校時代に出会った初恋の人・白江とともに働くことを目指して旅行業界で働いていた美紀は、白江が社長を務めるディスカバリートラベルへの転職を成功させる。しかし、転職後すぐの新人研修で、霊媒体質の美紀は白江から研修先のホテルの問題点を解決するように命じられてしまい、怪異に巻き込まれる。
ツン分9割8分の社長さんが(ベタながら)良かった。
ホラー(怪談)要素ありの(というかむしろメイン)旅行業界お仕事モノ。怖いの苦手なのでホラーはあんまり読まないんですが、これはホラーへの耐性がほぼゼロの私でも特に困ることなく読める程度のホラー要素でした。これくらいならいける。
初恋の人を追いかけて道を進んできた美紀と、外面はいいものの実は暴君の白江のラブコメ、にまではいかないくらいの始まりの物語で面白かったです。美化されすぎた初恋と、外面大王の暴君ぶりのギャップが凄く楽しかったです。白江の事情は作中でも表現されているようにまさしく「中二病」のような状況で、そこをうまいこと料理されてるなぁと感心しながら読んでました。
「特殊案件」を解決して取引先を開拓してく旅行会社で、解決能力を持つのは白江と美紀のみの状況で白江にけしかけられながら案件に対応していく美紀のガッツもいいものでした。白江も色々ボロクソに言いながらこきつかいつつも時折優しさを見せる緩急のつけかたも良かったです。
こちらは、国内ワケアリ旅行代理店です。 もしもし、観光地の怪奇解決もできますか?
八巻にのは/関末
富士見L文庫(2019.02)
【amazon/honto/BOOKWALKER】