わたしの幸せな結婚 三 / 顎木あくみ

本の感想, 作者名 あ行顎木あくみ

隠居した清霞の父から、義両親が住む別邸に招待された美世は、清霞とともに地方の別邸に向かう。義母が美世を婚約者として認めないものの、滞在中になんとか義母から認めてもらおうと美世は奮闘する。一方、清霞は別邸近くに最近出没しているという鬼の情報を求めて一人調査をすすめる。

なかなか爽快なツンデレ(九割九分九厘がツン)な義母様だった。

シリーズ3冊目は婚家の義両親と交友を深める話であると同時に、なにやら「敵組織」らしきものの片鱗を垣間見るお話。前者はなんか思ってたのと違ったんですが(最初からめちゃくちゃフレンドリーを想定してた)、後者はそうくるかーというような展開でした。

今回の美世はちゃんと清霞に相談してる、二人がちゃんと近づいてる!と前までの二人の関係からすると大前進。清霞もぐっとこらえて美世の行動を見守っているところもいいものでした。ふたりとも成長してる。二人の関係がどんどん発展していくのを見守るのがすごく楽しいので、こういうところはやっぱり巻数重ねるシリーズ物の醍醐味だなぁと思いました。

ツンツンツンデレな義母の芙由さんは、素直になれなさすぎてこじれまくってる感じで可愛らしいといえば可愛らしいしんだけど、ところどころすごく惜しいというか、少しちぐはぐな印象を受けてしまいました(何がどうというわけではないんでけど全体的に)。名家の誇りが色々邪魔をして素直になれない一方で、美世を認めようとしているからゆえのちぐはぐさかなぁとも思ってたんですが、初っ端からの違和感だったので芙由さんのゆらぎが原因でもない気がする……と少々「ん?」と思わなくもないですが、最後の一瞬デレた芙由さんが良かったので総評としてはまあええか、かわいいしという決着でした。しかしなんでこの人の娘があの葉月さん(と清霞)なんだ、確変が起きたのか反面教師だったのか、親としては優秀だったのかどれだ……(読了後一番の疑問)

謎を残しての3冊目で、何やら厄介な人が関係してそうなのでどう落とし所をつけるのか気になります。

わたしの幸せな結婚 三
顎木あくみ/竹岡美穂
富士見L文庫(2020.2)
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