第一王女ルシアの帰還と華麗なる快進撃 / 石田リンネ

本の感想, お気に入り, 作者名 あ行石田リンネ

フォルナート王国の王女ルシアは隣国の王太子と婚約し、王位争いから距離を置くために隣国に留学していたが王太子が死去するとともにフォルナートに戻ってきた。ルシアの帰国をよく思わない王妃と妹たちからの嫌がらせを受け、早々に王宮を出て港町チェルン=ポートの辺境伯に叙されることになったルシアは、チェルン=ポートを唯一無二の海上拠点に発展させることを決意する。

すかっとする大逆転!はさすがだなぁの開幕戦でした。

石田さんの新作、爪を隠しまくっている長姉が、こりゃあかんわ(+身の安全の確保とそのほかもろもろ)と王位争いに参戦するようなしないような、というお話。ほかのシリーズも持ってるんですけどね、データは……いつの間にか結構積んでしまってる巻数を薄目に見ながら新作を読みました。面白かったです。

足の引っ張り合いというか、命にかかわるようなかかわらないような、微妙な嫌がらせが若干ストレスでしたが、ここから解き放たれて地方で人たらししまくって足場固めて大逆転するんだろうな、するよね、した!という展開が期待通りでスカッとしてよかったです。妹王女たちもまだまだ嫌なところしか見えていないものの、今後ガラッと印象変わりそうなところもありここにも期待。妹一名はもうほぼ陥落してますが(チョロイ)。

そして王配になることだけは確定しているフェリクスさん、積極的に誤解される行動をとるしだれがどう見てもルシアに「落ちてる」のに、最後まで本人に気付いてもらえなさそうな残念な立ち位置で涙を誘います。早めに報われてほしいなぁと願わずにはいられないタイプのヒーローなので、フェリクスさんの不憫さを楽しむという楽しみ方もできるかもしれないシリーズですね。

第一王女ルシアの帰還と華麗なる快進撃
石田リンネ/壱子みるく亭
ビーズログ文庫(2024.10)
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