流血女神伝 喪の女王3 / 須賀しのぶ

本の感想, 作者名 さ行須賀しのぶ

道中出会った伯爵とその息子フィンル親子と森での逃亡生活を続けるカリエ達。しかし、ミゼーマ宮の兵士が一行の行く手を阻む。フィンルは王太子ネフィシカの実子であり、彼を王宮に迎えるために兵士達はやってきたのだという。セーディラの不思議の力で兵を退けた一行だが……


喪の女王3巻目はユリ・スカナの女王・バンディーカの物語。
豪傑な女王様だと勝手に思いこんでいたのですが、ある意味では予想通りで、そしてある意味では思ったよりも「普通の」少女だった時代もあったのだなぁとしみじみとしてしまいました。彼女のユリ・スカナを思う気持ちは誰よりも強いのだということが思い知らされました。各国の王様の中でも一番好きかもしれません。

一方のカリエは今度は修道院に身を隠します。皇子やら海賊やら小姓やらいろいろやられていますが、どこにいても、子どもを産んでもカリエはカリエでたくましいところがいいですね。エドのお父さんぶりにも思わずにやりとしてしまいました。ナチュラルにあんな事ができるようになるなんて、成長したなぁ、エド……。

味方だと信じたいのになんかいろいろむんむんと不吉なオーラを出すサルベーンや、いろいろと確執がこねくり回されてどこへ向かうのかわからないバンディーカ女王対ネフィシカの戦いがどうなるのか気になるところ。イーダルもグラーシカも一筋縄ではいかなさそうですが……、二人とも好きなので悲しいことにはならないでほしいのだけど。さて、張り切って続き読もう。

img流血女神伝 喪の女王3
須賀しのぶ/船戸明里
集英社コバルト文庫(2006.02)
ISBN:4-08-600718-5
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