竜宮奇恋譚―サンゴ畑でつかまえて― / 綾部いちい
舞台はオーバーテクノロジーを利用した海底都市リュウグウ、ヒロイン・サワラのヒーローはメバル君、そしてライバルはヒメジにシラウオと海づくしのおもしろ物語(ただし時折ちょっとシリアス)でした。
サワラの今時の女の子らしいかわいらしさと肉への憧れからの乙姫選抜試験へのやる気のなさとそれに反する結果の連続がよかったです。サワラのボケは一級品だなぁ。タルト総会はちょっとツボにはまったかもしれません。サワラの片思い関係に関するドキドキ系はあんまりなかったので、そこら辺はもったいないかなぁ。ちょっと残念。
サブタイトル(サンゴ畑でつかまえて)にひどく心揺さぶられ(こういういかにもアホそう(注:ほめ言葉)なのは結構好き)ましたが、まあそんな感じのお話で。予想を裏切るあっと驚く展開とかそういうものはありませんでしたが、アホな(注:ほめ言葉)お笑い成分を楽しめるのであればそれなりにいけるのではないかと。
一部少しトラウマが思い起こされる点もありぞっとしましたが(サワラと同じくあの生物の集団だけはちょっと見たくない)、そこらへんは、なかったことに……。
きれいに完結していることは完結しているのだけど、続きもできそうな終わり方だったし、続くかもしれませんね。
竜宮奇恋譚―サンゴ畑でつかまえて―
綾部いちい/タ・カーナ(イラスト)
B’s-LOG文庫(2008.2)
ISBN:978-4-7577-4016-7
【bk1/amazon】