光炎のウィザード 恋は電光石火 / 喜多みどり

本の感想, 作者名 か行喜多みどり

リティーヤの所属する研究室の室長ロードマスターにあらぬ(?)嫌疑がかけられ、研究室は活動停止の状態に追いやられる。そして、保護するという名目で魔導書調査委員会の監視下におかれることになったリティーヤ。北方の研究施設に送られたリティーヤはヤムセのメッセージを読み、ロードマスターとの接触を図ろうとするがユローナの残した魔導書をめぐるトラブルに首をつっこんでしまう。


新展開の光炎のウィザード5冊目は謎のロードマスター登場、そして文字通りの「恋は電光石火」なお話でした。

電光石火な恋をしてしまうのはリティーヤに振り回されてばかりの魔導書調査委員会ゼストガ氏。普段からリティーヤをアホだのバカだのぼろくそに言いまくる氷の美形のゼストガさんの苦難の様子がちょっとたのしかったです。「好きな子にほど意地悪をしてしまう」を地で実践しているゼストガさんと、さらりと受け流すリティーヤのやりとりの楽しいこと。確かに、この恋心は認めたくないよな……、リティーヤにあれだけ振り回されているとなると、と違う意味での同情を禁じ得ませんでした。ゼストガさんの苦難の様子を見て楽しかったのは、私がヤムセ派というのも大きいですね(師匠と弟子のやりとり大好きです)。二人の絆の深さにちっと舌打ちを打ちたくなるようなゼストガさんの姿を見て思わずにやりとしてしまいそうになります。

そして違う意味でリティーヤにちょっかいをかけまくるキツネさん関係では、彼つながりでちょっとやっかいな組織も出てきての新展開。学園内の紛争といい、外との争いといいいろいろと目が離せません。想像以上におかしな人のロードマスターの登場に、リティーヤの家族関係にもついに進展が、というところで続きが楽しみです。

光炎のウィザード 想いは未来永劫

img光炎のウィザード 恋は電光石火
喜多みどり/宮城とおこ(イラスト)
角川ビーンズ文庫(2008.03)
ISBN:978-4-04-449514-5
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