天啓のパルティア 月の姫巫女が予言する / 真朱那奈
ある日、王宮に流れの吟遊詩人がやってくる。吟遊詩人と意気投合するハルバートであったが、パルティアはどうしてもその吟遊詩人のことが好きになれず……
B’s-LOG文庫 第10回エンタメ大賞ガールズノベル部門佳作作品。王家に嫁ぐために姫巫女として宮廷にやってきたとても元気でがんばりやさんの姫巫女さんと、確実この人将来はげそう……な婚約者と国内問題に頭を悩ませる落ち着いた皇太子様が織りなす正統派ファンタジー。……、いや、しかし。皇太子様はちょっと影が薄かったかもしれない……おいしいところはきっちり押さえていてかっこよかったけど。
パルティアのもたらす天啓が巻き起こす騒動はあっと驚く展開ではなかったのですが(この私でも大概のところで犯人分かったし)、予言にあらがおうと孤軍奮闘するパルティアがけなげでよかったです(けなげという言葉はあんまり似合いませんが)。そして、ヒロインのパルティア、ヒーローのハルバート、謎の吟遊詩人・ラグー、それになんかもっとようわからん謎の少年と押さえるところはきっちしり押さえたキャラクター達がおもしろかったです。
正統派な少女小説ファンタジーズキーにはおすすめかなぁ。若干違和感を感じるところもあったんですが(文中に普通にカタカナ語とか。老成してる皇太子とか)、慣れたら別に気にならなかったし。ごくごく個人的な好みでパルティアちゃんがもう2・3歳成長している方が好みなんですが、なんか続きも出そうな予感です。どうなるのでしょうか?
天啓のパルティア 月の姫巫女が予言する
真朱那奈/薄葉カゲロー
B’s-LOG文庫(2008.05)
ISBN:978-4-7577-4251-2
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