光炎のウィザード 愛は完全無欠 / 喜多みどり

本の感想, 作者名 か行喜多みどり

年に一度のお祭り≪六花祭≫で喫茶店を出店したリティーヤの前に、仮面をかぶった≪薔薇の刺≫と名乗る不審人物が現れる。謎の行動を取るその青年は、どうやらリティーヤの生き別れの兄らしいのだが……。そして薔薇の刺の出現と時を同じくして、リティーヤにつきまとう≪キツネ≫までリティーヤの前に現れる。


光炎のウィザード第6巻。いつも内容を端的に表しているようなそうでないようなサブタイトルですが、今回も一応内容を示唆してたかなぁ……。ヒロインの性格からいって目も当てられないラブっぽいのはないかと思いましたが、そうですかそっちですか>合い言葉は「気合いと愛」。シリーズ開始当時からひっぱっていたリティーヤ・家族と再会する編でもありましたが、感動の再会どころかリティーヤが二人なのでなんかおかしな感じになってました。でも、面白かったのでよしとします。
キツネ関係や昼の魔術に石版などなど風呂敷が思いっきり広がったので後は収束に向かう、ようでございます。キツネ以外にもロードマスターなどいろいろ謎というかあからさまに怪しい人が増えてこの先どうなるのか気になるなぁ。いろいろとミスリードだと思いたい。ついでにいうと、リティーヤ兄の妙な存在感のおかげで影が薄かった研究室の面々やゼストガさんもいろいろ思わぬ方向に動いて行きそうです。
そして、もう一つの愛でもある師弟愛方面ですが、やっぱりリティーヤとヤムセの師弟愛はよいですな。エピローグのやりとりなどこれぞ師弟愛っというやりとりで非常によろしかったです。どちらかと言わなくてもこれ以上の愛に進まなくていいやーと思うほどの二人のナイスなコンビがよろしいです。
いろいろと続きがとても楽しみです。

img光炎のウィザード 愛は完全無欠
喜多みどり/宮城とおこ
角川ビーンズ文庫(2008.08)
ISBN:978-4-04-449515-2
bk1/amazon