光の精煉師ディオン 皇太子と危険なバカンス / 村田栞
光の精煉師ディオンの5冊目。隣国で起きる革命とそれに巻き込まれるディオン達という感じで実は次が最終巻らしいです。
今回の注目ポイントは、かっこいい中将と、ディオンの新たな才能(十年に一人の逸材といわれるカツオの一本釣り)、そして何よりもアマーリエ皇女のプリティーさかと!アマーリエのかわいさはもう異常というか犯罪です。ディオンのことが好きなのに素直にそれを表現できないわがまま皇女さま……なんてすばらしい状況。これでもか!というくらいお約束の反応の皇女さまを読むためだけにこのシリーズを読んでも損はないんじゃないかなぁと思います(言い過ぎです)。ディオンも鈍感にもほどがあるだろう!と誰もが突っ込みたい状況だと思うのですが、みんな突っ込まずにニヤニヤ見ているところがこれまた面白い。今回のアマーリエとディオンのやりとりは表情筋を動かさずに読むのは至難の業でした。
話の本筋の方は隣国の革命関係がどばーっとすすんでどばーっと終わってしまいました。あまり何も気にせず読む私でも「え、いいのいいの?そんな簡単に他国の革命に手を貸していいの?」と突っ込みたくなりましたが、このシリーズはそこら辺は気にせず読むのが仕様となっているらしいので(後書き参照)、無問題としておきます。登場人物達のやりとりが楽しかったので、もうそれだけで満足なんですよね(後書き参照)。そういう意味では、作者さんの意図通りの楽しみ方をしている私です。
最後の最後に最終巻に向けてあっと驚く展開で(それこそラスト2ページ)、続きが非常に気になります。アマーリエの想いが通じるといいなぁと「そっちかい」と突っ込まれそうなところにも多大なる期待を込めています。中将関係を含め、続きが楽しみです。
光の精煉師ディオン 皇太子と危険なバカンス
村田栞/岩崎美奈子
角川ビーンズ文庫(2008.09)
ISBN:978-4-04-451009-1
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