wonder wonderful(下) / 河上朔
ときめきたい人には文句なしにおすすめ。
※今回の感想は上の一行だけで済まそうと思ったんですが、もったいないのでちゃんと書きます。しかし、今回もやっぱり色眼鏡感想。ご了承ください。
wonder wonderfulの下巻でひなた救出作戦編。要所要所でいいなぁと思えるシーンがたくさんあってすごくドキドキわくわく、胸キュン要素ももちろん余すことなく!というとても(よい意味で)疲れる完結編でした。やっぱり面白いなぁ。
こかげが花祭りの準備に奔走し、そして王宮や街の人を巻き込んでいってという所は本当にドキドキする。あのシーンでは一緒にガッツポーズをしたくなるほど興奮してしまいました。なにかを一生懸命になって作り上げるというのはすごいことだなぁ、と思わずにはいられません。そして、作り上げたものの一部である「三割増し」にはやはり笑ってしまいます。ひなたさんじゃないけど、こかげさんあんなもの世に送り出しちゃってどうしてくれよう!と想像するだけで楽しいです。
そしてまあ、下巻の山場といえばザキ君のあのシーンとこかげさんの「落ちる」所あたりだと思うのですが……「落ちる」くだりの一連は紙媒体で読むと破壊力が五割増しくらいと思うのですが。あくまでも一時的な滞在だと自分の心を押し殺していたこかげがころっといってしまってからの坂道を転がるがごとくの糖度アップに大ゴロゴロです。今まで押さえていただけに余計に破壊力抜群、というやつなんでしょうかね。隊長がかっこよすぎてどうしようかと。
最後の最後のこかげらしさもなんだかぎゅっときます。寂しいラストだとは思うのですが、しかしなぜか寂しさを全く感じさせないお話で読めて本当に良かったなぁと思います。いろんな人の「優しさ」が詰まった「優しい」物語。タイトルにある”wonderful”という言葉がぴったりのこかげの異世界旅行のお話でした(←本人も何を言っているか分からないけど、wonderfulという言葉に今更ながらに納得したので何となくこれだけは言いたかった)。
下巻の書き下ろしはイルサムさんズキーにはたまらないイルサムさん視点からの本編終了直後の物語。ザキ君がとてもかわいかった……。そして、初回特典のネット限定書き下ろしは読んでもだえるといいと思います。隊長ズキーにはたまらない一品。
wonder wonderful(下)
河上朔/結布
イースト・プレス(2008.09)
ISBN:978-4-827257-945-1
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