彩雲国物語 黒蝶は檻にとらわれる / 雪乃紗衣

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吏部次郎・李絳攸の処遇を決めるための御史大獄が開催されることとなり、絳攸の弁護側として憎き強敵・清雅に真っ向勝負を挑んだ秀麗は、なんとか「戦果」をあげることができた。しかし、吏部尚書解任を受けて紅家出身の官吏達が一斉に出仕を拒否、そして紅家が経済封鎖を行うという事件が勃発。紅家本家も絡んでいないというこの事態は、紅家の秘密が絡んでいて……

今回の感想は私基準ではネタバレしていないんですが、なにぶん本編の内容が内容なだけにネタバレしてませんと言い切ることはできませんので続きは自己責任で。

彩雲国物語17巻目は(短編含む)噂通りのえらい展開ですごかったです。そ、そこまでとばすか!と思わず突っ込みたくなるような展開でした。秀麗サイド、王様サイド、紅家サイド、貴族サイドといろんなところで怒濤の展開でなにから手をつければいいのか~とうれしい悲鳴です。

秀麗サイドでは、清雅がえらくかっこよくて何の目の錯覚かと。これが噂に聞いていたすばらしいサドデレ……。基本秀麗をいびり倒すことに生き甲斐を感じているような彼ですので甘い雰囲気全くありませんがそこがいいですね。秀麗は秀麗でだんだんと大変なことになっています。いままで端々でほのめかされていることがついに言葉になってしまって、なんだかとても心配です。

一方の王様サイド。全くいいところ無しでとってもさみしくなりました(王様ズキー)。今回は王様を落として落として落としまくるお話だと納得しておくことにします。たとえあの選択がずどーんと後ろから頭をはたきたくなるような選択でも。きっと名誉挽回のチャンスが……。
王様サイドは今回完全に脇役なので絳攸・楸英・静蘭もあんまりいいところなく。三バカトリオみたいになっててこれまた寂しくなった(面白かったけど)。

紅家サイドと貴族サイドでは今回一番の驚きのあれこれが!というか予想もしてなかった展開なので本当にびっくりした!今回のお話の途中でまさかねぇと思っていたところが来てびっくりだ。今回初出(?)の謎を今回で明かしてしまったのもびっくりだ(これは、ミスリードということはないと思うんですよね……こういうミスリードはあまりされない作家さんだと思うので)。

クーデターフラグが着実に立っていってる中、王様が本当に王位から追い落とされそうでとても心配です。一巻のエピローグ的な物から考えて、最後はハッピーエンドだと思うんだけどなぁ……なんかそういう展開になりそうにないところがすごい。ということで、続きが本当に気になります。

彩雲国物語 黒蝶は檻にとらわれる
雪乃紗衣/由良カイリ
角川ビーンズ文庫(2008.12)
ISBN:978-4-04-449917-4
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