バカとテストと召喚獣 / 井上堅二

本の感想, 作者名 あ行井上堅二

進級テストの結果でクラスどころか教室の設備まで差をつけるという文月学園。その最下層が集まるF組の吉井明久は、進級テスト時の体調不良からF組に組み分けとなった姫路瑞樹(学年2位の実力の持ち主)のために打倒A組を目指し、立ち上がろうとF組代表・坂本雄二を焚きつける。文月学園には、テストの点数を利用した試験召喚獣を使ったクラス対抗の戦争が行われており、その戦いに勝つとF組がA組の設備を乗っ取ることも夢ではない。かくて、やる気に満ちあふれたF組の無謀な戦いが始まる。


噂に聞いていた「バカテス」、どんなもんかなーとちょっと読んでみることにしました。本当に、バカだ(注:ほめ言葉)。

主人公の明久のアホというかバカっぷりがとても楽しかったです。ここまで抜けている人間とは思いもよりませんでいた。その他、個性的なF組の面々の面白いこと。
明久をめぐるヒロイン二人の対照的なやりとりもちょっと面白いです。気付けよ、と思うこと多々ですが主人公が肝心なところで抜けているのでたぶんしばらくは現状維持なのかなぁ……?

そして、このお話の肝の試験の点数で召喚獣呼び出して組対抗のバトルが繰り広げられるというところは斬新で面白かったです。最初の戦闘シーン以外は若干似たり寄ったりでおもしろみに欠けるかも、と思っていたんですが最後の落としかたがすごくてあんまり気になりませんでした。雄二率いるF組があの手この手で下克上していったのに、最後のアレは無いと思うわ(笑)。

ストーリーも面白かったのですが、個人的に一番面白かったのは要所要所に挟まれる「バカテスト」かな。先生のツッコミが一番面白いかも。

imgバカとテストと召喚獣
井上堅二/葉賀ユイ
ファミ通文庫(2007.02)
ISBN:978-4-7577-3329-9
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