封印のエスメラルダ 約束の海 紺碧の絆 / 山本瑤
エスメラルダ第4巻。正式にフロラシオン王国の王子として認められたアドリアンが足固めをするお話と、ソラナの巫女としてのクラウディアを望むヘルムーク、そして腹黒女王エルフリーデにいいように扱われる人のお話。
相変わらず、エルフリーデは黒っ!です。「少女小説的限界に挑む」というようなことが後書きに書いてありましたが、たしかに挑んでいるなぁ、と。個人的にはまだいけると思うんだけど……。彼女の黒さの原動力がクラウディアへのゆがんだ愛情というのがこれまた。それを未だに信じているクラウディアも見ていて痛々しいなぁと思ってしまいます。
クラウディアとアドリアンは、今までとはまた違った関係に進みそうな、そんな予感を感じさせるお話でもありました。自分の思いを自覚し封印したクラウディアと、思いをもてあまし否定しようとするアドリアンのなんとも綱渡り的な関係にはらはらしてしまいます。
新キャラクターのヘルムークは、その「バーソロミュー」という名前だけで違う小説の主にとてもギャグ成分を思い出してしまいなんだか別の方向の人だと勝手に解釈してしまいそうになりましたが……、しかしアドリアン(というよりむしろクラウディア)陣営に加入することは間違いないでしょう。アドリアンとクラウディアの強力な力となることは間違いないようですね。
そして、読み終わってから巻頭の登場人物紹介を見てみたりしたんですが、この間違いは酷いなぁ……。アドリアンとレオンハルト間違ってるって……えー、これはどこに責任の所在があるんだろうか……(ととても些細なことが気になります)。
封印のエスメラルダ 約束の海 紺碧の絆
山本瑤/香坂ゆう
集英社コバルト文庫(2008.11)
ISBN:978-4-09-601229-4
【bk1/amazon】
ディスカッション
コメント一覧
今日、このシリーズの5巻目買ったのですが、「諸般の事情でいきなり最終巻!」で、ショックを受けております。
これまでに何度も何度も経験してきたことではありますが……。
な、なんですとー。
ちょっとコバルトにしては異色っぽいところが好きなのに、なんか大河っぽい展開が好きだったのに。
でもまあいきなり最終刊ということは、一応終わってはいるんですよね……。
……いつの間にかフェードアウトよりはましだうん。