≪運命の輪≫よ、まわれ! 運命のタロット3 / 皆川ゆか
とりあえず、「運命のタロット」を読もうか読むまいか迷っている人は、ちょっとしんどいなぁと思っても3巻くらいまでは読むべきだと思います(初読の感想)。……ここらへんからがいわゆる「本領発揮」とかいうやつだと思うんだ……。でも、3巻ではお話に区切りが付いていないのがこの勧め方の問題だと思います(≪恋人たち≫関連って何巻まで……?)
序盤は楽しそうな「寮生合コン」物語。普通の学園モノではないですか!と思っていたら中盤あたりからだんだん妙な展開になってきて、≪改変≫って、ええー、ちょっとー、と、どこにこのやるせない思いをぶつければいいのか困ってしまうほどの急転直下の展開に驚きました(……前巻の後書きで5割くらいはネタバレしていたような気がするんですがいやでもまあ)。いくら勝負に勝つと≪改変≫をなかったことにできるとはいえ、あんまりにもあんまりな展開で正直驚きです。「先輩☆」的化けの皮は完全にどこかにとんでしまうほどのシリアス展開ですごいなぁと思いました。
そして、頼子と≪魔法使い≫の探す≪恋人たち≫の協力者については、いろんな人が怪しすぎて誰が誰だかという気がしてしまいます。今のところ一番怪しいのは彼ですが、でもこの容赦のない展開を見ているとどう考えても「第一ミスリード」にしか思えません。頼子と≪魔法使い≫、そしてタロットとは(たぶん一応)関係のないところで「犯人」捜しを決意した唯の行動力と推理力で協力者を見つけることができるのか、続きを……(今一番の心配事はこの≪恋人たち≫関連の事件が5巻でカタがつくかというところです(5巻までしか確保していない))。
それにしても、後書きが長かった(笑)。そして時代を感じました。……PC-9801かー。うちにもまだあったりするんだよな、たぶん動かないけど(捨てられないらしい)。
≪運命の輪≫よ、まわれ! 運命のタロット3
皆川ゆか/乱魔猫吉
講談社X文庫ティーンズハート(1993.04)
ISBN:4-06-198758-5
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