雛のほそみち~青葉若葉の恋道中!~ / 小川いら

本の感想, お気に入り, 作者名 あ行小川いら

男勝りで剣術もたしなむ武家の娘・吉川雛は望まぬ結婚を厭い師匠と仰ぐ松尾芭蕉とその弟子・曾良の東北への旅について行くことを決意する。雛の大脱走に気付いた幼なじみで剣術道場の次男・鹿之助は雛をひとりで行かせぬために大急ぎで雛に合流する。俳句を詠むためののんびりとした旅だと思われていた芭蕉の旅は、謎の一団に命を狙われるといった波瀾万丈の旅で……。


B’s-LOGで少女小説も書かれてるけど普段はBLの人だよ、の新刊です。ビズログの既刊分は気になっていたのだけど手を出していなくて今回チャレンジしてみましたが……

これはご飯三杯くらいは軽くいけます!

というような好みにジャストミートの作品でした。ごちそうさまです。

舞台は江戸時代、将軍綱吉が生類哀れみの令をだしちゃったくらいの時期で、元気な武家のお嬢さん雛と、雛と一緒にいることが当たり前になってしまっている剣術道場の次男・鹿之助(ただし出家願望有り)が繰り広げる謎の俳聖・芭蕉とその弟子・曾良との謎の東北道中を描いた作品。もう雛と鹿之助のこの何ともいえない関係がですね……お互いに意識してるんだかしてないんだかのこの微妙な関係がですね……とてもツボでございました。

少し前に世界史未履修問題というのがありましたが、私はガチで日本史未履修なので(日本史は必修ではないのです)好きな部分と大河で見たところ以外は日本史自体をスルーするほどの常識知らずですが、特に江戸時代は最初と最後くらいしか記憶にない程度の知識ですが(※惜しげもなくアホをさらしておきます)、とても楽しめました。
雛と鹿之助のニヤニヤしまくれるやりとりとか(もう素直に入り婿しちゃいなよ!と5回は思った)、謎の師匠と弟子のあれやこれやとかとても気になるので続きが読みたいです。

雛のほそみち~青葉若葉の恋道中!~
小川いら/藤田香
B’s-LOG文庫(2009.02)
ISBN:978-4-7577-4782-1
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