ミリセントと薔薇の約束 休暇旅行は琥珀の調べ / 月本ナシオ

本の感想, 作者名 た行月本ナシオ

グレンと共に湖水地方に休暇旅行に出かけることになったミリセント。滞在先のほど近くにあるというグレンの生家でファネル家とウォーベック家、そして王家の関係を「鑑定」を通じて知ったミリセントはグレンの思いもかけない言葉に動揺する。一方、ミリセントをつけねらう秘密結社・大暗室のヨナスがミリセントへの接触を図り……


第3巻はとてもにやにやが止まらない展開でした。ミリセントとグレン関係は言うに及ばず、グレイ義兄のジーンとグレイの大好き兄弟とか、ミリセントとグレイのそれぞれの母の男前っぷりとかいろいろとても素敵。ファネル家とウォーベック家、そして王家の隠された関係、ミリセント母の行方などの見所たくさんでした。ヨナスとミリセント母の何ともいえない微妙な距離間もヤキモキものでした。

照れもせず真顔であんなことを告げるグレンのその冷静さと誠実さがとても素敵です。確かに「血」も関係しているんだろうけど、それだけじゃないと(読者は)信じてるよ!
今回はグレンのターンだっただけに、次にくるであろう執事のターンがとても気になります。彼の失われた記憶について少しずつ動きがあり、それがまた大暗室の幹部がかかわってきているだけにどうなるのだか。執事がミリセントとグレイの急接近にマイナス感情を覚えているだけに辛い展開にならないといいなぁと思ってしまいます。

あ、あと。毎度の事ながら暑苦しい親衛隊の暑苦しさはやっぱりいい。こういうの大好きだ。

ミリセントと薔薇の約束 休暇旅行は琥珀の調べ
月本ナシオ/椋本夏夜
角川ビーンズ文庫(2009.04)
ISBN:978-4-04-451111-1
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