さよならピアノソナタ / 杉井光

本の感想, 作者名 さ行杉井光

中途半端な時期に転校してきた居丈高の少女は有名ピアニストの蝦沢真冬。人を寄せ付けない真冬の態度にクラスメイトは面食らい、諸処の事情で世話係に任命されたナオは真冬のとある秘密を知っていた。そして、真冬に学校での秘密の場所を占領されたナオは打倒真冬を目指し、民族音楽研究部の部長に薦められ(罠にはめられ)ギター勝負を挑むことになる。


良い評判をいろんなところで聞いた青春ギター音楽小説「さよならピアノソナタ」。うん、確かに何というか甘酸っぱいというかやるせないというか熱くなるというか、こう表現しにくいんだけど高校生っていいなぁとおもう青春小説でした。部長がすごく男前でかっこいいんですがどうしましょう(注:女)。少年少女のあれやこれやもよかったんですが、個人的にはお父さんたちがなぜかとても気になった。エビチリ、絶対いいキャラしてると思うんだ…(たぶん)。

人を寄せ付けない真冬に、なぜだか真冬に関わりを持ってしまうナオ、そしてナオを絡め手で陣営に引き込んでしまう部長と幼なじみとそれぞれの立ち位置がはっきりしていてこの関係がどう変わっていくんだろうかと楽しめました。音楽関係のウンチクは(有名なところを題材にとってきているので知っている曲もいっぱいありましたが)全くもってちんぷんかんぷんだけど面白かったです。なんでだ。

真冬のツンツンについては後半で理由が明かされ、ちょっと丸くなるのでかわいいなぁと思うことは思うんですが……なんというか、彼女の性格がどーも個人的にアウトだったのでそこがちょっと残念だな。たぶんこの意見は少数派だと思うので普通は気にならないというかむしろそこが長所!というとこだと思いますが。

imgさよならピアノソナタ
杉井光/植田亮
電撃文庫(2007.11)
ISBN:978-4-8402-4071-0
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