月と太陽の国語り~夜半に咲く花~ / 花村りく
もうちょっとパンチほしいなぁ……
第三回小学館ライトノベル対象ルルル文庫部門優秀賞受賞作の改稿版。薬師の少女が助けた青年に心開いたり心開かれたり、面倒見のいい気のいいアニキ分の国王様に(読んでる読者が)キュンとなる話。最初についていたカラーピンナップが結構シリアスモードで暗めの話なのかなぁと思っていたんですが、そんなことはなく、どちらかというとほわほわ系(ただし陰謀もあるよ!:かなりぬるいですが)でした。序盤で若干繋がりが「ん?」と思うところがあって、それ以降も若干ちょっと「ん?」と思いながら読んでしまったので、最初で躓いてしまうと気になる人は続き読めないかも(そういうの実はあんまり気にしないタイプなのでとりあえず読んだ)。
薬師の女の子(その正体に秘密あり)、普段は男の子みたいな格好をしている、不器用な騎士、お茶目な国王様とけっこう好物キーワードがぞろぞろ並んでいて、どちらかといわなくても好きな系統のお話なんですが、全般的にとてもパンチというか迫力が足りなくてとても残念。短めということをのぞいても、ちょっとパワーが足りなかったです。ここまで素敵キーワードが揃ってるんだからもうちょっとでツボるはずなのに……。このあたりは次回以降に期待、かな。あと、薬師は薬師的にもうちょっと活躍してほしかった!(個人的願望)
きれいに終わってはいるモノの、いくらでも続けられそうな小ネタが仕込んであるので続きもでるかも、です。好物キーワードがとてもたくさんあるお話なので次も読んでみようかなぁとちょっと思ってます。
あと、ヒーローは王様でいいと思いました本気で。キーファもかっこいいことはいいんだけど、おいしいとこ全部王様持ちだったし。きっと改稿前のアレは王様だったに違いないとエスパーしてみる(後書き参照)。
月と太陽の国語り~夜半に咲く花~
花村りく/わたなべ志穂
小学館ルルル文庫(2009.05)
ISBN:978-4-09-452113-9
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